2017年7月22日に放映された、NHKの「どうなるニッポンの未来! 課題解決型AIの奇想天外な提言とは?」を録画して見た。

どんな番組か概要を知りたい方はこちら:
HUFFPOST「「ひとり暮らしの40代が日本を滅ぼす」NHKが作ったAIの分析が冷たすぎる」

NHKの「AIひろし」が示唆した仮説は4つと理解した。

1)40代 単身者の増加が、「自殺者数」「餓死者数」「空き家数」「生活保護」などを増やすカギになっているかもしれない。(先行指標ということでしょうか?因果関係は不明)

2)40代単身者を取り巻く環境改善が、様々な社会課題解決のためのレバレッジ・ポイントになる可能性がある

3)具体的には、住居費の低下が40代単身者を減らすために最重要な打ち手となる

4)40代単身者にとって幸せになるためのポイントは「仕事を面白がるな」

・番組の中では「40代単身者=避けるべきこと」という暗黙の前提が置かれ、「40代単身者を減らすには…」という問いが立てられていたので、その点は違和感を感じた。むしろ、40代単身者の存在が将来の孤立につながらないような打ち手を考える方が、生産的だったと思う。

・40代単身者を男女合わせて6タイプにクラスタ分けしていたのは、興味深い分析だった。一方で、様々な社会課題への先行指標になっているのはどのタイプなのか、その分析結果を知りたかった。その方が、シャープな打ち手を考えらたと思う。

・以前FBで「40代で加齢臭強まる単身者のおじさんの苦しみに社会が目を向けてくれない」という問題を書いて、多くの方にコメントをいただいた。自己効力感が低下するミッドエイジ・クライシスにメンタル疾患が加わり、仕事もうまく回らなくなり…という苦しみのサイクルに落ち込む人がかなり多いと、医師の友人が教えてくれた。この「中年孤立」問題から目を背けてはいけないと思っており、「AIひろし」の問題提起には関心を持っている。「40代一人暮らしには行政として接点がない」という荒川区役所の方々の指摘は、興味深いものがあった。

・マツコ・デラックスがオーディエンスの発言を聞いてコメントした、「40代の正規雇用を増やすことが重要」という指摘は、AIひろし以上にシャープな仮説だったと思う。今の40代は、非正規雇用の波を最初にかぶった世代だから。

・「仕事を面白がるな」というAIひろしの提言には、視聴者の大部分が違和感と怒りすら感じたことと思う。マツコも「余計なお世話」と言いきっていた。ただ、「仕事以外に、面白いことを見つけよう」という提言だとしたら、これは重要な指摘。社会は、40代の良質な「遊び」や「遊び仲間のコミュニティ」を大切にしなければならないのかもしれない。

以前NHKのドキュメント72時間では、新宿歌舞伎町の将棋センターにカメラを据えていた。あの将棋センターに集まってくる、異常にキャラの濃い、しかしみんなから愛されている方々のことを思い出した。あそこには温かいコミュニティがあった。

・マツコと有働さんのコンビは最高。次回もぜひ、この二人のコンビでお願いしたい。次回、いつかわからないけど…。AIタイプ分け