久々に実家に帰った。

私の兄は、高次脳機能障害という病を抱え、それに加えて脳梗塞になった。今は老人ホームに入っている。

母は兄を毎週4日ほど、老人ホームからリハビリ施設まで送迎している。母自身も要介護の後期高齢者なのだが、ゆっくり、ゆっくりと足を運び、かなりの距離を往復している。

父も、包括支援センターの方も、母のことを心配している。体力が持たないだろうと思っている。

しかし母に聞いたら、今の自分は幸福だという。兄のケアのために自分の命を使うことに、生きがいを感じているという。

その話を聞いて、以前イチゴの生産者に聞いた話を思い出した。

イチゴに実がなるとき、葉も根もやせ細るという。「母体」は自らの身を削り、次世代の種を抱えるイチゴの実を太らせる。

それが、イチゴだ。

イチゴを漢字で書くと、「苺」となる。「母」に草かんむりをつけるのは、自然なのかもしれない。

そんなことを考えながら、武蔵小杉のエノテカでイチゴのスパークリングワインを買った。母の日はイチゴを送るというのが、日本の慣習になってもいい。そんなことを考えた。

canette