869803bc.jpg私がHBSに行っていたのは、2001から2003年でした。特に最初の1年間は、死ぬほど苦しかったことを覚えています。感動的であると同時に、地獄的でした。

今留学していて、苦しんでいる1年生の皆さんに3つだけアドバイスがあります。

1)質の高い休息をとること

以前、マイクロソフト代表の樋口さんが、MBA友の会主催の壮行会に来て下さったことがありました。スピーチの後で、オーディエンスの一人が手を上げて、「厳しい生活の中で、どうやって精神的な健康さを保っていたのですか?」と聞きました。

樋口さんは俯き、絶句し、大したことはやっていないと言った後で、「まあ、なるべく太陽の日を浴びるとか…」とおっしゃいました。

その瞬間に、私は思い出しました。自分が、太陽の光とか、目の前を流れる川の光などに、どれだけ救われてきたか。

通学に要する時間は10分間しかありませんでした。しかし川の流れを見て、太陽の光を浴びながらの10分間は、自分にとって幸福な10分間でした。

そしてクラスが終わった後、ベッドに倒れこんで20分だけ昼寝する瞬間が、私にとっては至福のひと時でした。

皆さんにとって効果的な方法で、質の高い休息をとっていただきたいと思います。そしてそれでも健康を崩した場合は…どうぞ迷うことなく、カウンセリングに行って下さい。HBSの全学生の10%は、一度はカウンセリングの門を叩きます。

2)時間を賢明に使うこと

私がHBSに留学すると、米国本社の大ボスだったアラン・パトリコフ氏(ベンチャーキャピタル業界の父と言われていた)に連絡したところ、一言だけメッセージをもらいました。その一言は…

"Use time wisely."

留学の目的は、人によって違います。経営を学びたい人もいれば、ネットワークを広げたいという人もいます。どうぞご自分の目的に立ち返って、周囲の人に流されず、自分なりの賢明な時間の使い方を見出していただければと思います。

3)好奇心をもって踏み込むこと

時には、関心をもったことに踏み込む好奇心を持つことをお勧めします。私が留学中の2年間を通じてもっとも後悔しているのは、旅をしなかったことです。そしてもっとも良い判断だったと思っているのは、(自分の好奇心の赴くままに)ピッツバーグの老人ホームに住み込んで、経営再建の夏インターンを経験したことです。

毎朝、毎晩90才前後の高齢者たちと話をして、学んだことは無限にありました。幸福とは何か。家族とは何か。健康の重要さ。何歳になっても恋愛はできること。などなど。。。
現在留学している皆さんも、どうぞご自分の好奇心を大切に、まだ見ぬ地平に足を向けていただきたいと思います。それが最終的には、皆さんの人生を豊かにするような気がします。

以上、私が良いモデルかはわからず、またたかだか40歳こえたくらいで人生を語るな、ボケ!と言われそうな気もしますが、参考になれば幸いです。