ベンチャーの成功をもたらす、最も大きな要因は何か。(統計的に)
グロービス休職、留学中の松川さんが送ってくれた論文が、面白い。
(Baum & Locke 2004)
これを見ると、"Self-efficacy"(自分ならできる!という自信)の相関係数が0.34と最も高い。次いで、"Goals"(高く、具体的なゴール設定)が0.26, "Communicated Vision"(高いビジョンを設定し、それを繰り返しコミュニケートしていること)が0.22と次ぐ。(写真を参照)

しかしそれ以上に面白いのは、上記の3つの要因の全てに影響を与えている、ある「スキル」があるということ。そのスキルは、"New Resource Skill"(リソース獲得スキル)。これは、「新しいことを立ち上げる際に、自分や必要な人や資金を獲得するのが得意だ」という自己認識のこと。この自己認識が強ければ、ビジョンもゴールも高くなり、ベンチャーの高成長につながる可能性が高い。

であれば、どうすればこの"New Resource Skill"を養うことができるのか?

答えは、「体験学習」の領域にあるかもしれない。私の尊敬するある友人は、娘さんに米国の中学・高校でエリート教育を積ませていた。そこでは、中学生が米国の大統領や、超一流の大物に手紙を書き、アポを取る。その経験を通じて、「何にでも手が届く」という体験を積ませていた。(Kさん、勝手に紹介してすみません)

このアプローチは、自分自身のスキルを開発する場合にも、使えると思う。手が届かないと思う相手に対しても、恐れることなくガンガンコンタクトしてみる。何かを依頼してみる。周りの人たちを巻き込んで、新しいことを立ち上げてみる。

そのような経験が、起業家としての最上のトレーニングになるように思う。相関関係