私が初めてグロービスでクラスを教えた時に、受講者に野間口(のまぐち)という人がいた。

発言は冴えまくり、質の高いコメントの連発。

しかしそれ以上に際立っていたことがある。彼は決して「頭良さそうな」ふりをしないことだった。

というか、むしろバカなふりをしているとしか思えない。

最近のFBやTwitterを見ていて、ますますそう思える。

例えば、彼の2月27日の書き込みを見る。

(以下引用)
上下ジャージの田舎っぺヤンキーみたいなやつに、満員電車で足踏まれた。
いってーだろーが、てめーっ!
直接言えないからここで言ってやったわ。ざまーみろ。
(ここまで引用)

どうでもいい。かなりどうでもいい書き込みとしかいいようがない。

当時私は、彼の過去の経験を知らなかった。

それを知るようになったのは、Day-6の後の懇親会。そしてその後の交流を通じてだった。

彼は私の高校の同窓生だった。2学年下だった。

そして彼の実家は飲食店を経営していた。

が、彼が大学生の時、父親の経営する会社は破産。父親も自己破産に追い込まれた。

彼は26歳の時、父親の経営していたレストランを多額の借金を負って買い戻した。

更に、新しい飲食店を立ち上げた。

彼はそのために、他の店舗から出るゴミをあさって材料を調べた。試作品を作っては食べ続けた。

(より正確に言えば、作り、食べ、メモをつけ、吐き、また作り、また食べ、メモし、吐き…というPDCAサイクルを回し続けた)

そして店舗を出した。豚丼の店だった。私は好きだったが、店は上手くいかず、結局閉鎖、撤退した。

そしてその後彼は、同じ高校の同窓生(井上氏)と組んで、勝負手を放った。

名店ラーメンの麺とスープを冷凍状態で届ける。「宅麺」である。

彼は日本中のラーメン屋に、情熱を語った。次々に巻き込んだ。そして今、ラーメン界の超一流ブランドが83、宅麺に名前を連ねている。ラーメンの世界に、革命が起きた。

そんな彼が、激しく執着しているプロジェクトがある。それは、とんこつラーメン発祥の地、久留米のラーメンを広めること。

正直言って、東北の物を宣伝すること以外に関心のない私がなぜ久留米ラーメンのクラウドファンディングを手伝っているのか意味不明である。

ただ、野間口氏が久留米にかける思いを語っている動画があって、見ていると唾液が20mlくらい口内に湧きでるのは否定できない。

https://greenfunding.jp/lab/projects/704-