スポーツグラフィックスNumberの最新号に、本田圭佑のインタビューが掲載されている。ワールドカップ終了後、ほとんどマスコミに対して口をひらなかった本田圭佑。その内面に深く切り込んだ、木崎伸也氏の手腕が光る。

本田圭佑は、試合までに自分のメンタル面とイメージ面で準備を整えることの重要性を語っている。

「次の試合で(デンマーク代表の)ファンボメルがこうプレッシャーにくると言うのは簡単やけど、意外にそれを頭に叩き込むのって簡単な作業じゃない。ぱっとイメージすることはできる。でもそれが頭に入ったのかが大事なわけで。だから繰り返しイメージしないと、それが洗脳されていかない。繰り返し、繰り返し、何回やれば、洗脳できるのか。オレ自身もまだわかっていない。」

−それが本田君にとっての「洗脳」? (木崎氏)

「オレが使っている言葉が正しいかは別にして、洗脳って感じで書いたら、洗う脳ってなる。あえて言うなら『自己宗教』みたいなもの。自分の哲学を繰り返しイメージすることで、頭の中に出てくるようにする」

(中略)

ーよくサッカー選手は暇と言うけど、本田くんの場合違いそうだ。(木崎氏)

「ぜんぜん暇じゃない。家にいるときが勝負。でも、何かをやっているときに、考えることはできないから。1時間でも、30分でも、そういうひとりの時間を作らないといけない。」

ー禅をくむじゃないけど、静かな雰囲気にしてやる?(木崎氏)

「風呂に入っているときとか、寝る前とかだね。そういう時間をすごく大切にしている。誰かといっしょにいるときというのは、なかなか簡単にイメージできない」

ーぐーっと入っていく感じ?(木崎氏)

「目をつぶってね。まあ、まだまだ発展途上ですよ。」

(「革命児の美学」木崎伸也 スポーツグラフィックスNUMBER Vol.760)

「イメージする能力」の重要性は、スポーツの世界では語り尽くされている感がある。私もブログの中で、中村俊輔の「イメージ力」の強さについて、NUMBER誌を引用して書いたことがあった。(過去のブログ)また、メンタル面でコンディションを上げていくことの重要性も、特にタイガー・ウッズなどの事例で十分すぎるほど説明されている。

しかし今回、特に感銘を受けたのは、本田選手がひたむきな努力で、「イメージ」面と「メンタル」面のコントロール精度を上げようとしている点だ。「革命児」は、驚くほどストイックな努力家だった。

ちなみに、本田圭佑が小学生の時書いた「将来の夢」についての作文も、素晴らしい。それについては、橋口師匠のブログを参照。
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