GREEの田中社長の講演を聞いて、学ぶところが多かった。

「なぜモバイル・ゲームの戦略が当たったのか?」「なぜアイテム課金というビジネスモデルを確立できたのか?」と切り込む、ファシリテーターの高宮氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ)。それに対して田中社長は、自分が取った戦略が偶発的なものだったと強調した。

「PCもダメ、広告収入も大して儲からず、もう破れかぶれで…(笑)」

決して自分の頭の良さを誇ろうとしない田中社長の姿勢には、誰もが好感を持ったと思う。

追い詰められた人や組織が、急激に激烈な反動をすることを、英語でバックラッシュ(Backlash)と言う。

ベンチャーを成功させるために、最適な戦略を見出して状況を打開する必要がある。このブレークスルーをもたらすものは、追い詰められた後のバックラッシュであることが、多いように思う。全面的な失敗を眼の前にして、思い切った戦略転換を行いやすいマインドだからかもしれない。

亡くなる3か月前の正岡子規の言葉に、

「窮して而して始めて一条の活路を得、始めより窮せざるもの
かへって死地に陥りやすし」

というものがある。今も、昔も、追い詰められた人たちのバックラッシュが、イノベーションを起こしているように思う。