日経新聞の購読を止めて、2年ほど経っただろうか。
それでも時折、日経新聞を目にすることがある。

1月1日の日経新聞に、「風雪知らぬ宰相」(鳩山政権の研究ー上)という記事が載った。この記事は、鳩山首相が…

・庶民感覚を理解せず、
・甘くて、鈍感であり、
・逆境に耐えた経験をしていない
・首相として準備不足な

人間だということを、指摘している。記者の意見として指摘しているのではなく、他の政治家の意見や、「鳩山の側近」のコメントとして伝えている。正面から根拠をもって批判するのではなく、匿名の人物のコメントという形で、批判をしている。週刊ポスト的アプローチであり、日経新聞らしくない。

ひとつ、日経新聞にご提案がある。政治家に対する根拠のあいまいな人格攻撃は、やめてはいかがだろうか。

ご提案の理由が二つある。

第一に、全ての人間は、美しい人格を持っていると私は思う。木の年輪と同じように、様々な風雪が独特の年輪を作る。人の非倫理的な行動を批判するのは、良い。しかし、それ以外の場合に、人の人格を批判することは、私にとっては不快である。

第二に、政治家の人格批判は、政治を腐らせる。メディアの人格攻撃により、国民の首相に対する不信任意見が強まり、発行部数を伸ばしたい雑誌が不人気な首相をさらに叩く。真面目な政策論争や、首相の良い政策に対する賛成意見は、メディアに載りにくくなる。私は福田元首相の支持者だったが、福田氏が墜ちたプロセスが、これだったように思う。

鳩山首相には、様々な欠点があり、特に内閣の人選には疑問を感じる。しかし良い政策もあり、できれば民主党には、良い政治を進めてほしい。

メディアは、リーダーの人格を批判するのではなく、その政策を真っ向から論じてほしい。特に日本のビジネスパーソンに強い影響力を持つ日経新聞には、より格調高い記事で世論をリードすることを期待したい。