最近確信に至ったのだが、私は今の日本代表の中で、遠藤保仁選手のプレーが一番好きだ。フロンターレのファンなのに、「何で中村憲剛を応援しない!」とお叱りを受けそうだが・・・。

遠藤のところにボールがいくと、ボールが落ち着く。

相手がどんなに激しくボールを取りに来ても、落ち着いてボールをさばく。相手の身体を見て、重心がかかっていない方向にボールを運ぶため、取られない。

そして、展開する。ある時は大胆なロングパスで。そしてあるときには、中村俊輔との細かいパス交換で。

どうしたら、あんなにクレバーなプレーをできるのか。そう疑問に思っていた。

先日NHKのドキュメンタリーで、遠藤の特集が組まれていた。中学時代遠藤の所属したチームの監督は、ドリブル練習中の子供たちに、足し算をやらせていたという。走りながら考える、練習である。

脳科学の言葉で言えば、「注意分割機能」というのだろうか。これが、遠藤のクレバーなサッカーのベースを作ったのかもしれない。

NHKの番組の中で、日本代表の岡田監督が遠藤を評して、「もともとプレーの質が高いのに加えて、プレーの量が圧倒的に増えてきた」と指摘していた。ヘッディング、スライディング・タックル、電撃的な攻撃参加、自陣に戻っての献身的な守備。遠藤はその「質」を落とさずに、よりアグレッシブにチームに貢献している。

岡田監督が日本代表を率いるようになって、3回だけ、負けている。その3回とも、遠藤が出場しない試合だった。これは、岡田監督自身のコメントである。

組織の中で事業開発を試みる私のような人間にとって、遠藤は憧れの存在である。質の高さと、圧倒的な「量」。うーん…。