今年の感動一発目は、朝日新聞のシリーズ「仕事力」に連載されている、野村克也監督のエッセイだ。

(捕手の仕事は)監督と類似しています。野球が好きで、研究熱心でなくてはならない。判断のためにデータがフル回転していなくてはならない。その上で、これで行くという決断は腹をくくって覚悟する。チームの勝利のために一人ひとりを最後の瞬間まで活かせたか。起用の仕方を誤らなかったか。自信を持たせてやることができたか。いまも毎日、自問自答です。

私の考えの根本にあるのは、今日の試合もみんなの力を引き出せたかということです。勝敗の結果は大切ですが、すべてではない。その後ろにあるプロセスこそが重要であり、プロフェッショナルの「プロ」とは「プロセス」の「プロ」であると信じています。(談)
(1月11日朝日新聞「仕事力」)

一瞬の判断のために24時間情報収集と思考プロセスを回し続けるという覚悟と凄味が伝わってくる。最も優れた「プロフェッショナル」の定義の一つだと思う。