今日は家族で、浅草の浅草寺に行った。

仲見世通りを進んだのだが、片っ端から買い食いしていくため、いつまでたっても浅草寺に着かない。昨年、伊勢参りに行ったときと、同じ落とし穴にはまっている。

ようやくついた浅草寺は、私にとっては3回目だろうか。最近加速度的に、神社仏閣が好きになっている私だが、恥ずかしながら浅草寺の良さは、あまりよくわからなかった。

ただ、境内で一本、凄いイチョウの木を見つけた。とにかく、幹が太い。なのに、高さが異常に低い。近づいて看板の解説を読んだところ、以下のことがわかった。

・12世紀、源頼朝が参拝した時に、この木を植えたと言い伝えられている。樹齢、推定800年。
・1945年3月、第二次大戦戦火で焼かれ、木の上部を焼失
・それによって、都の天然記念物としての保護も取り消され、今は「わずかに余命を保つ現状」

しかし、見上げてみれば、どうしてどうして。美しい若葉を身にまとっている。

あとでWebで調べてみてわかったのだが、若木が根元から数本出て、それが上部で生き残った古い幹とつながり、枯れたところを支えるつつ若葉を見せているのだという。
(http://www.city.taito.tokyo.jp/index/download/046101;000001.pdf)

戦火をくぐり抜け、新たな木に命を伝え、若木に支えられながらも、戦争の悲惨さを無言で語り続けるイチョウの木。これを見るだけでも、浅草に行く価値がある。

山中礼二